藤布ができるまで

 

日本の原始布のなかでも、最も手間がかかると言われている藤布。 1本の蔓からとれる繊維はわずか5グラムほど。1日かけて績むことのでき る糸はわずか20~30グラムほど。遊絲舎では、伝統の手法で、化学薬品 を使わず手間暇を惜しまず、丁寧につくっています。

 
藤伐り

①藤伐り

山野に自生する藤の蔓を春から初夏にかけて採集。

藤剥ぎ

②藤剥ぎ

藤蔓を木槌で叩き、外皮と中皮に剥ぎ分け中皮を乾燥させる。

藤灰汁炊き

③灰汁炊き

ふるいにかけた木灰を用いて4時間ほど煮炊きあげる。

藤こき

④藤こき

川水でしごきながら不純物などを洗い流し、繊維を取りだす。

藤熨斗入れ

⑤熨斗入れ

米ぬかを溶かした湯にくぐらせて、竿に掛けて乾燥させる。

藤績み

⑥藤績み

結び目をつくることなく撚りつないで一本の糸にする。

藤撚り掛け

⑦撚り掛け

績んだ糸を糸車で撚りをかけてさらに強い糸にする。

⑧枠取り

繊維の方向を整えるため、木枠に巻き取り乾燥させる。

藤整経(へばた)

⑨整経(へばた)

整経台に経糸を掛け千切りに巻きとる。

⑩機織り

手順を追って、丁寧に織り上げる。